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  8/16(土)第五回 8-bit読書会 @銀座木挽町  

 銀座、歌舞伎座横は、古くは木挽町の名で呼ばれ、今でも通りの名で残っています。

第五回の8-bit読書会は、窓から歌舞伎座の屋根瓦が見える木挽町のお部屋でおこなわれました。

お盆休みで、東銀座は人も少なかったですね。(それでも歌舞伎を見に来てる人は結構いました。)

雑談では、自分のお気に入りの本がドラマ化・アニメ化されることについての所見や表紙の

デザインの好みなどについて、闊達な意見が交わされましたw

蒸し暑い中の強行軍、参加者のみなさまお疲れさまでした!

以下、当日紹介された本になります。





  『幸福な食卓/瀬尾 まいこ』  

 ずいぶん前に読んだものですが、ということわりの上で、レビュアーさまが紹介して

くださったのが本書です。いろいろ事情のある4人家族、それぞれの問題を持ちながら、

話自体は、起承転結を予想させずにたんたんと綴られてゆきます。それは、作中人物たちの

生活のリズムのせいなのか人生観ゆえか、文字にすればそれなりに深刻な諸問題が、主人公たち

の行動を通すと、読者は不思議と悲惨な印象を受けないとのこと。本作だけでなく、こういう

雰囲気は作者瀬尾氏の特徴でもあります。


  『ゼロからわかる生成AI法律入門/増田 雅史・輪千 浩平(編)』  

 ディベートの会にも参加しているレビュアーさまが、AIについてのディベートの折に

事前準備として渉猟した文献のなかの一冊です。昨今噂のAI、もとい、いまや普通に仕事でも

用いられる技術になってしまいましたね。そんな折に問題となるAIの著作権、肖像権、個人情報

などについて触れられた本です。EUではAIアクトなどの法規制的なものがあるものの、

本邦ではこれからどう規制すべきか。依拠性と類似性など、少し前のさつきあい問題でも

話題になりましたね。後半では、ディベート周りのお話も伺えました。


  『深夜特急 3/沢木 耕太郎』  

 かつて旅好きの若者のあいだで絶大な人気のあった本シリーズ。レビュアーさまは、

小学生のころから図書館でこの本を目にしていたものの、当時はそれほど旅行自体に興味もなく、

また、タイトルからなにやら鉄道の話なのだろうと思ってずっと敬遠していたそうです。

 現在では、旅も読書同様趣味になっていて、本書にも自然に食指が動いたよし。レビュアーさまは、

文体が魅力的な作品が好きで、宮島未奈作品やこの深夜特急もそのひとつとのことです。


  『もしあと1年で人生が終わるとしたら?/小澤 竹俊』  

 ホスピス医療の経験のある著者が、死に際しての多くの後悔の声を聴いてきたことから、

書かれた書物です。死を意識することで、不要な迷いを絶つ、生活を整える、そうしたことが

述べられているのですが、レビュアーさまは本書のタイトルになっている命題そのものを

強く意識してしまい、自分の中でも答えを出しあぐねているよし。ネットのレビューなどでも、

そのあたりに触れているものはなく、鬱々としているとのこと。


  『樅ノ木は残った/山本 周五郎』  

 管理者が紹介したものです。「青べか物語」と並ぶ山本周五郎の代表作ですねー。

史実の「伊達騒動」を、山周が独自解釈、「伽蘿先代萩」などでは悪役の、原田甲斐を

善玉の主役に据えた時代小説です。管理者が気にっているのはまず、ほぼ斬り合いがなく、

話は基本、密会、密談、盗み聞き、逼塞、様子見で進んでいくところですね。また、

今回は、山本周五郎のペンネームの由来にもなり、作者が青年期に勤めていた質屋が

あった木挽町でこの本を紹介できてよろしゅうございました。


  『新ハムレット/太宰 治』  

 太宰の短編が数編入っています。表題作よりも、レビュアーさま一番のお薦めは

「古典風」という作品です。じつは別の太宰好きの人から勧められたのが、この作品で、

その方の一番好きな太宰作品なのだそうです。登場する人物にあまり作者自身は投影されて

いない印象で、途中にある男女の別れのシーンが、レビュアーさまは強い印象を受けたよし。

やはり太宰なので、他にもいろいろな小ネタが話に上がりました。



お読みいただき感謝感謝


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