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  7/13(日)第三回 8-bit読書会 @人形町  

 第三回の8-bit読書会は、いつもの勝どきよりずっと北側、水天宮で有名な人形町で

おこなわれました。やはり暑い。晴天の城東は容赦ないですね。この辺りは、あまりタワマンもなく、

居酒屋や料理屋が多くて再開発とは縁遠いのかと思っていたら、土地勘のある参加者さまのお話では、

10年ほど前にくらべると、横丁はあまり変わらないが、表通りは、チェーン店系の店が

だいぶ増えたそうで、前はその辺も老舗風個人商店が占めていたようです。

以下、当日紹介された本の紹介です。





  『模倣犯/宮部 みゆき』  

 読まなくても、タイトルは知っている、宮部先生の代表作です。そして、本だけでなく、

犯人のはまり具合や大胆な改編で有名な映画版がセットで話題()になるのも本作の特徴でしょうw

五巻分の話の濃さの最後に来る、タイトルの意味が感慨深いとのこと。

他にも、宮部作品の映像化は、なぜか新人などの採用眼が優れているとの意見も出、

さすが先生、話題が豊富でした。


  『司馬遼太郎短篇全集〈9〉/司馬 遼太郎』  

 数々の長編タイトルが思い浮かぶ司馬遼太郎において、見逃されがちなのがその珠玉の短編群
 
でしょう。また、かつてはマルクス主義的歴史観から、権力者側の視点の多さなどを批判されたりもした

司馬作品の中で、文人系を扱った面白い作品はけっこうあるよし。今回は、その視点に立ってレビュアー様

が選んだ、絵師の田崎草雲と呉春が主役の2点が本書より紹介されました。どちらも己の画風に悩んだすえに

たどり着く境地、またその変化のきっかけがあり、随所に登場する有名な文人たちとの関係も

興味がわきますね。


  『吉野朔実は本が大好き/吉野 朔実』  

   レビュアー様が地元書店で見かけた、本の雑誌社が強烈に自薦する本書を目にしたのが、

この本との付き合いの始まりだったよし。少女漫画家の作者が、さまざまな本にまつわる小ネタを

漫画エッセイで長期連載していたもの(のべ300冊以上)をまとめたものです。比重としては、

わりと海外小説の扱いが多めですが、まだ読んでいない本のレビュー?や、漱石と芥川を評した

中学生時代の恥ずかしい思い出、果ては、名作古典のパロディ小説とオリジナルのどちらを先に読めば

よいのかを真剣に悩む作者の心境がつづられます。レビュアー様と作者とではだいぶ感性に乖離があるが、

それでも思い出しては手に取ってしまうという感じだそうです。


  『東京の地霊/鈴木 博之』  

 主催者の紹介したのは、国立競技場の建て替えの時にも名前が出た、建築史学の大家、鈴木博之の

東京の地霊(ゲニウス・ロキ)です。東京の各地をそこに息づく、地霊(その土地の霊感、その土地

から出る連想性)の視点から綴ってゆく構成です。御殿山、椿山荘、新宿御苑、などいずれも有名な場所が、

表層としての歴史と、半ば必然のようにその場所に吸い寄せられていく人々の思いを交えて説明されます。

また、単行本と文庫化、それぞれ別の手による解説が二編入っており、そこでもひとつの議論があり面白いです。


  『銀河鉄道の夜/宮沢 賢治』  

 賢治の有名なこのお話が、未完だというのは読んだ人しか知らないことの一つではないでしょうかね。

主催者も、今回初めて知りましたよ。主人公の生い立ちの設定や、能力的なことへの説明もなんとなく作中に

描かれていることなど、やはり評価の高い要素が多いとのご感想でした。また、結末的な部分の若干異なる

版もあり、未完ゆえの話題性も高いですね。当日は、ここからさらに林芙美子ネタに話が広がりました。



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